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脱窒の手法について考える

社長@スイケン、久々の登場です。

脱窒という技術は古くから研究され尽くされている古典的な技術と言えます。
工場などの排水処理ではある程度の技術確立が成され広く実用化されていますが、養殖や水族館、観賞魚など閉鎖性水域での魚介類の飼育では実用化は皆無と言っても良いです。
それは排水処理とは違って処理水を生物のいる水域に戻さなくてはならないため、脱窒というプロセスと飼育環境の狭間にある大きなハードルを乗り越えなければならないからです。溶存酸素の条件一つとっても片や嫌気、片や好気ですからね。連続通水式ではどうしても苦しい。装置の適正な大きさを考えたら通過中の水のDOを一過式でゼロまでもっていくのは無理なんだろうと思います。例えばDOを下げられたとしても、硝酸は一気に窒素ガスになるわけではなく、一定のプロセスを経て還元されていく、ましてや濃度が高い場合は一過式で入ってきたものを出るまでの間に完全に消すことなんて無理なんですよね。フィルターじゃあるまいし。
硝酸還元が不完全な状態では必ず亜硝酸が存在することになるので、不完全な脱窒装置は亜硝酸を飼育環境に戻してしまうという大きなデメリットも持ち合わせることになるのです。

我々の開発したシステムは回分処理です。飼育循環水をシステム内に取り分け、隔離した状態で脱窒条件を整えて完全に硝酸を除去してから飼育環境に再び戻す、というのが大きな特徴です。この回分式処理のシステムは2年前に特許出願し、このたびめでたく特許化されました(PAT.No.4602446)。
また、もう一つの特徴としては、雑多な細菌群の中において、主に硝酸呼吸を行う従属栄養細菌の活性を高める条件(温度、栄養剤、微生物担体量等)を作り出して、元々存在している微生物群をコントロールするというものです。
現在のところ、この手法による脱窒が最も確実で安全であると、開発者本人なので信じてやまないのですが、本当にそうなのでしょうか?って誰に聞いてるのかって話ですが、実は脱窒のプロセスは我々の使う手法だけに限りません。

独立栄養の硫黄酸化脱窒菌というのがあります。独立栄養なので硝酸だけを与えれば反応が進むと言うメリットがありますが、おそらく従属栄養よりも処理速度は遅いだろうと考えています。しかし検証したわけではありません。海水で使うと硫黄担体の表面に硫酸カルシウムが析出してすぐに使えなくなると言われていますが、どのくらいでダメになるのか検証していません。それを防止するために担体のカラムをアップフローにしても、担体同士が擦れてすぐに摩耗するんじゃないかと思っていますが確認したわけじゃないです。

最近注目されている脱窒プロセスとしてAnammox反応というのがあります。これは嫌気条件化においてアンモニアを硝化のプロセスを経ずに脱窒してしまうという画期的な手法です。
魚の飼育に応用したら硝化槽がいらないじゃん、すげー、となりますが、アンモニア処理からいきなり嫌気ですから循環では絶対に使えませんね。やはり回分式になるのか・・・とも思いますが、Anammox菌の代謝基質となるアンモニアと亜硝酸の比率を一定にしなければいけないとか、菌自体を大量培養する必要があってそれがまた難しいとか、何せ条件が厳しく、さすがに閉鎖循環の窒素処理にはまだまだ使えないと思います。

いずれにしても、自然界には星の数ほどのバクテリアが存在して解明されていない物質循環もまだたくさん存在しているのでしょう。
脱窒というプロセス一つとってみても、我々の採用した手法が100%適しているとは限りません。本当に早く、たくさん処理できるのか?本当に一番コストがかからないのか?少なくとも他に注目されている技術があるならその手法を解明して自分の技術と客観的な比較をし、もし劣る部分があるのなら改善して行きたいと思うのです。

相変わらずとりとめが無く失礼シマシタ。

●大洋水研ホームページへ >>>http://www.taiyousuiken.co.jp









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Author:大洋水研
閉鎖循環式陸上養殖に関する記事を中心に、特にアワビの陸上養殖に関しては実践レポートを余すところなくお届け致します!
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