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アワビ無換水陸上養殖試験100日突破!

スイケン社チョーです。

アワビの無換水陸上養殖を始めて4ヶ月目、100日を突破し、105日となりました。
最近は斃死率も低く、順調に成長しています。
飼育水も100日以上無換水でも非常にきれいで水質も最良の状態をキープできています。

70mmトップでスタートした試験区は先月までは成長が鈍かったですが、ここ1ヶ月でかなり重量が増えました。
これは生殖腺の発達も関係していると思いますが、身も厚くなったような印象です。大きいものは殻長80mmを超えています。
平均では76.5mmですが、斃死がかなり落ち着いた今、アワビの粒が揃ってきました。極端に大きな個体もなければ小さく痩せた個体もほとんどいません。
餌の食いの悪い、元気のない個体は自然に淘汰されていった感があります。
試験区への収容当初の極端な斃死を除けば、8/3以降の生存率は90%を超え、非常に順調です。
成長

40mmトップは相変わらず絶好調で、60mmを超える個体も出てきました。
まだ稚貝の感は脱していないので肥満度は低いですが、良く育っています。
生存率は95%以上。ぼちぼち生殖腺が発達してきた個体も目立つようになっています。
斃死

さて、ここまで来て少し迷いが生じています。
生殖腺が発達している今、産卵させるべきか否か?
私がコスモ海洋牧場さんにご教授頂いた限りではこうです。
産卵をさせないとその後の成長が遅くなる場合があるが、産卵によって消耗して死滅する個体もある。特に、肥満度(殻長と重量の関係)が低い場合は、産卵すれば更に肥満度は低くなる=身が極端に痩せているので、太るまで待った方が良い、という具合です。
産卵の有り無しがその後の成長を絶対的に支配するわけではないと、私なりに理解しています。

自然界においては、季節によって水温変化があるので、生殖腺が発達した個体は産卵積算温度に達していれば温度刺激によって自然に産卵します。従って、海面養殖もしくは自然海水かけ流し式の陸上養殖では産卵は必至です。
ところが水温を一定に保った閉鎖循環式陸上養殖の場合は、環境変化が極端に少ないので積算温度に達していても刺激がないので放精・放卵をしません。
事実、うちの試験区がそうです。このままでは産卵しないでしょう。

それが良いのか悪いのか、正直言って私には分かりません。
そんなことも知らないのかと馬鹿にされそうですが、ネットで色々な文献やサイトを漁っても、産卵のさせ方や受精卵の取扱いについては色々ありますが、産卵後の親貝の成長について触れているものがほとんどないのです。
ある文献では、高水温期には成長性が低下し、高水温期以降の半年間に産卵期が重なるが、産卵期と比較しても最も水温の上がる時期が最も成長性が低いので、高水温と成長の因果関係については明らかであるが、産卵期との因果関係については明らかではない、というような記述がありました。
産卵するのが普通ですからね。産卵しなかったらどうなるのかっていうのは以外に分からないのかも知れないと思ったりします(実際どーなんでしょーか??)。
このblogを読んでくださった方の中に、もしあわびのプロがいらっしゃいましたら是非とも教えてください!

いずれにしても、この壁は越えておかねばなりませんので、検証が必要です。
そこで、生殖腺の発達した少数の個体を小さな水槽に取り分けて産卵させてみようと小さな試験区を組みました。
産卵には「刺激」が必要ですが、紫外線照射水、過酸化水素H2O2、塩分濃度変化、水温乱高下など様々なやり方があります。長い時間空気に曝すなんていうのもありますね。試験では一番無難と思われる水温変化でトライしてみます。
本水槽では19℃で飼育していますが、小試験区では24℃と室温(18℃くらい)を1日のうちに何度か繰り返してやってみます。
うまいこと産卵したら、産卵個体だけ本水槽にカゴに分けて戻し、その後の成長性を産卵させない個体と比較してみようと考えています。
はっきりとした結果が出るのかでないのか、楽しみです。

閉鎖循環式陸上養殖のハンドリングを考えた時、人間の都合に合わせれば産卵はしない方が良いに決まっています。高密度で飼育しているアワビが一度に産卵してしまえば急激な水質悪化を招くからです。
もっとも懸念されるべきは二つの事象で、精子や卵は系内のTOCを一気に上昇させるので確実に硝化阻害をもたらし、アンモニアと亜硝酸の増加が起こるでしょう。また、過剰な有機物によって好気性の従属栄養細菌(Heterotropic Bacteria)が劇的に増加して溶存酸素の低下が起こるでしょう。
これらを、飼育しているアワビに影響を与えずして解決するには相当オーバースペックな設備が必要となります。もしくは大量の海水で閉鎖系の水を入れ換えるしかありません。
いずれも閉鎖循環の陸上養殖には手間とコストを上げる大きな負担となります。

ゆえに、産卵しなくても順調に大きく育っていってくれることが一番の理想です。
人間の勝手な都合なんですけどね。

なんか、水処理屋って言うか、アワビ屋になって来てしまった今日この頃であります。
だんだんアワビに愛着が湧いてきました。


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Author:大洋水研
閉鎖循環式陸上養殖に関する記事を中心に、特にアワビの陸上養殖に関しては実践レポートを余すところなくお届け致します!
陸上養殖技術に興味のある方、陸上養殖ビジネスを本格的に立ち上げようと検討されている方、どしどしコメントしてください。

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