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アワビ閉鎖循環式陸上養殖試験の経過

スイケン@しゃちょーです。

すいません。2か月分経過報告を貯めました。
しかも、間違えて前回の経過報告の中の成長データのグラフを誤って削除してしまいました。
古いデータは最新のものに書き換えられているので同じグラフを復活できません。今回のデータは過去のものも含まれていますのでこちらを参照してください。

さて、アワビの陸上養殖試験が5ケ月以上を経過し、165日となりました。
成長データはグラフの通りです。
成長記録


5か月間の記録として、

処理区1(70mmスタート)
殻長:72.66mm → 83.46mm ⊿10.80mm
体重:53.44g → 73.21g ⊿19.77g
1ヶ月平均で2.16mm、3.95gの成長

処理区2(40mmスタート)
殻長:42.20mm → 59.42mm ⊿17.22mm
体重:9.11g → 26.87g ⊿17.76g
1ヶ月平均で3.44mm、3.55gの成長

殻長の伸長は順調ですが、肥満度が下がってきています。痩せています。
なぜ痩せてしまうのか?
サイズが小さいうちは肥満度が低いのが普通ですが、処理区2の方もなかなか上がってこないですね。
もしかすると、収容しているアワビの量に対して水槽が大きすぎるのかもしれません。面積も深さも。

アワビたちは真っ暗になると、昼間じっとしている姿からは想像もつかないくらい活発に動き回ります。しかも結構動きは速かったりします。
広すぎる運動場を与えているのでメタボちゃんが少ないという可能性は否めませんね。
この辺はもう少し考えて試験をスタートさせるべきでした。年が明けたら太らせる対策を考えて試験を進めなければと考えています。

前回記事に書いた「産卵」の件。
これは失敗に終わりました。
生殖腺がパンパンに張りつめた生きの良いやつを10個ほど選りすぐって小水槽に分け、水温乱高下や比重変化、過酸化水素刺激などあらゆる手を尽くしましたが、結局は産卵しなかった。
専門家のご意見では、産卵後の肥満度が下がるような状態、すなわち生殖腺が発達して体重が重くなっているものの、身自体は痩せているので産卵後は肥満度が一気に下がるような個体は、産卵→斃死を防ぐためになかなか産卵しないということです。
全体的には肥満度が低いので、やはりそういうことが当てはまるのかなと思いました。そう都合良くいかないものですね。
しかし、産卵をせずにこのまま成長していってくれるのであれば、閉鎖循環の陸上養殖には都合が良い面もあります。
産卵はおそらく連鎖的に起こるでしょうから、高密度で飼育している場合の水質汚染はかなり深刻なものです。これを経ずして飼育を続けられるのなら好都合ですよね。
産卵はした方が良いのか、悪いのか、はっきり言ってよくわかりません。しないで順調に育つことが人間には一番都合が良いです。

斃死に関する記録は次のグラフの通りです。
斃死

処理区1の方は随分と斃死率が下がって落ち着いています。
逆に、処理区2の方がここの所ぽつぽつと死んで、残存率が90%を割ってしまいました。処理区1の方は8/3以降であれば90%以上を維持しています。
とにもかくにも、斃死する個体は小さい!殻も小さく、身はやせ細っています。
魚も同じですが(人間も?)、よく食うやつはよく太ります。食えないやつはいつまでたっても食えない。だから強いのとは差が開く一方で、自然と間引きされてしまうのでしょう。
したがって、最近は個体の粒がかなりそろってきた印象です。
余裕があれば、成長の遅い個体を選り分けて別水槽で飼育すれば、養殖においては歩留まりが上がるのかもしれません。でも、成長が遅いなら採算性が悪いかも。この辺は実践してみないと何とも言えませんね。

今回は餌の食べ方もデータを出してみましょう。
給餌記録

現在はEPを処理区1:65g、処理区2:40gで毎日給餌していますが、少ない時で35%程度、多い時では半分以上の残餌が出ます。
グラフの2本線の差はすべて捨てたエサ。
もったいないですが、過剰に供給しないと弱肉強食になって歩留まりがかなり下がるのは目に見えています。
それでも食えない個体がいるんですよね。こういうのはいずれ斃死ですが、仕方がないですね。
年間通して80%以上の歩留まりが確保できれば上出来ではないでしょうか?

水は・・・、まだ一回も換水してませんよ。
減った分たまに足し水するだけでまったくの無換水です。硝酸態窒素は10mg/L以下を保ち続け、窒素分の蓄積は見事に排除しております。
同じく、電解処理で有機物の蓄積も全くなく、低いTOCを維持しています。
陸上養殖続く限り、無換水も続く。おっと、いい言葉ですね。

実はこちらの試験と並行して、玉川大学の小泉先生もアワビの飼育試験をやってるのですが、二つの試験区で硝酸濃度に差をつけた結果、成長と斃死にかなり有意な差が出ました。
これは飼育の難しいデリケートな無脊椎動物ならではのことだと思います。硬骨魚でも稚魚の飼育では硝酸が大きく影響するとか。
こちらの試験結果は非常に興味深いので、公表できる段階になりましたら真っ先にお伝えします。

年末年始はあわびの世話です。
これをお読みいただいているニッチな方々が良いお年をお迎えできますように。
では、失礼いたしました。

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Author:大洋水研
閉鎖循環式陸上養殖に関する記事を中心に、特にアワビの陸上養殖に関しては実践レポートを余すところなくお届け致します!
陸上養殖技術に興味のある方、陸上養殖ビジネスを本格的に立ち上げようと検討されている方、どしどしコメントしてください。

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